2006年05月09日

東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜・リリーフランキー

ちょうど12年前のゴールデンウイーク明けに、私の母は病院の再検査を受け、癌だと診断されました。
6月に手術、先生からは、早くて半年の命と言われました。
その時のショックは今でも忘れることが出来ません。
しかし、その後おかげさまで、半年が過ぎ一年が過ぎ、母親が癌であることさえも忘れるまでに回復しました。
その間に、私も子供が二人できました。
母にとって孫が二人(姉の子供も生まれたので、本当は三人)増えました。
本当は癌ではないのではないかと思えるほどでした。

しかし、癌は母の体の中で、おとなしくしていただけでした。
最初の手術から4年経過した頃、癌は活発になっていきました。
そして、その年の12月、帰らぬ人になりました。
母が最後に私に言った言葉は
「お金はいいかね」
でした。
いつも金に困っていた私だったので、そのことが母には心配だったのでしょう。
最後の言葉がこんななんて、まったく情けない息子でした。

さて、本年度の本屋大賞のこの作品、そのストーリーに涙を流したのではなく、自分の母親の最期を思い出し涙が流れてしまいました。
作者も私も同じように母親を亡くし、その気持ちは充分私にはわかりました。
しかし、巷で言われているように、ただその内容に感動することはありませんでした。
只々、母親の最期を思い出し、胸が切なくなりました。
この本が、たくさんの人に賞賛されていることは、それはそれでいいのですが、作者の気持ちが伝わるのは、本当に母親を亡くした人だけのような気がします。

その点以外の内容いついては、さほど面白いとは思いませんでした。
女で一つで子供を育てるのは、大変でしょう。
今の子供たちと違って、当時の子供なんて(私も同年代ですが)、あんなもんでしょう。
ただ、時々登場する、オトンが非常にいい味出していました。
そして、オカンとオトンが別居した理由が、オカンが死んだ後にオトンから語られるところなど、オトンの存在感がはっきりします。
この本は、オトンなしでは面白く読める本ではなかったでしょう。

posted by 中は切っても発出さん at 23:46| 岐阜 🌁| Comment(3) | TrackBack(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あの本で泣くひとたちってのは、
「お母さんと少しでもいい関係がもてた」
あるいは、亡くなってはじめて
母親ってものの愛情だの、懐の深さだのに
気がついた・・人なんだろうなと。

すいません、どうもそっちにはいけませんでした。

ただ、自分が母親という立場にいる現在
自分はどうなんだろうなと・・
オカンを自分に置き換えた時に
自分ならどうする、どうなるってのは
けっこう興味深いものでした。

かなり奇抜なキャラでしたが
あのオトンは味があって
あの小説のスパイスになってました。
Posted by Ageha at 2006年05月10日 10:42
私も嫁も読んで意見が一致したのは
面白かったけど,なんでそんなに売れたのか不思議だ ということ。
多様化した歌の世界では 皆が共感してバカ売れすることは
めったにないし。
Posted by 39bon at 2006年05月11日 08:33
Agehaさん
確かに、女性が読んでどのように感じたかは、男の私にはわかりません。
ある意味、感情移入をせずに読むことが出来るでしょう。
読む人、一人一人思うところは異なるでしょうから。

39bonさん
私も同感ですね。
これくらいの本なら、他にもあるのに、何故この本はあんなにも売れたのでしょう。
本屋大賞に選ばれたことからも、本屋の店員さんの策略にはまったのかもしれませんね。
Posted by 中は切っても発出さん at 2006年05月18日 00:16
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Weblog: ペパーミントの魔術師
Tracked: 2006-05-10 10:45

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
Excerpt: 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
Weblog: 本の紹介ページ
Tracked: 2006-05-19 11:27
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