2006年09月10日

絵はがきの時代・細馬宏通

私はこれまで、”コレクター”と呼ばれるほど何かを収集したことはありません。
とはいえ、子供の頃には一時期にわかコレクターになったことはあります。
カルビープロ野球カード、国鉄の切符、ベリカード(放送局へ聴取レポートを送るとその謝礼で送られてくるカード)は少し集めました。

カルビーのカードは、カード欲しさでお菓子を捨ててしまうという、社会現象がおき、問題となりました。
しかも、どちらかというと子どもの間での単なる流行だったため、私個人はあまり思い入れはありません。

しかし、国鉄の切符は多少の思い入れはありました。
今の切符と違い、昔は発駅と到着駅が印刷されていました。
いつ、どこからどこへ行ったかが、その切符により記録として残されるのです。
また、入場券にもその駅名が印刷されており、駅に行った記念にもなりました。
あと、今の切符と違い、厚紙で出来ており、重厚感もありました。

今から、20年ほど前の話ですが、高校のときに好意を持っていた女の子が、結婚するという日に、その女の子と同じ名前の駅に行き、その駅の入場券を購入したという、今から思えば赤面もんの想い出もあります。

さて、本書の著者は絵はがきを収集し、その研究成果をまとめました。
絵はがきの歴史から、ヨーロッパでの絵はがきの利用のされ方等々、今まで絵はがきに無関心だった私には、全てが新鮮な内容でした。
特に、明治期において、日本では、災害が起きると災害絵はがきが間もなく発売され、一つの情報伝達手段となっていた、という件は非常に驚きました。

さて、本書の著者は単なる絵はがきコレクターではありません。
元々は動物学を専攻し、動物の行動研究として、エレベーター内でのヒトの行動をまとめています。(その成果の一部は、正高信男「ケータイを持ったサル」で紹介されています。)
そして、エレベーター繋がりで、関東大震災で炎上して消失した”浅草十二階”を調べ、その過程で絵はがきに出会った、という経緯で本書が書かれました。
このような経緯の持ち主であることから、本書で紹介されている、中古絵はがきの画鋲の穴についての話など、単なるコレクターでは気付かない点も書かれており、非常に面白く読める本です。


posted by 中は切っても発出さん at 15:53| 岐阜 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本は先月、朝日・読売他 全国紙の文化欄の書評で紹介されており
インテリの皆様には、それなりに評価をもらっているようです。

業務連絡

この度は、どうもありがとうございました。
成り代わりましてお礼申し上げます。
Posted by 39bon at 2006年09月10日 19:40
39bonさん
我が家の購読紙中日新聞でもこの本は紹介されておりました。
そして、あの盥さんも大絶賛しています。
本の帯に”盥アットマークさん推薦”の文字を入れましょう。
Posted by 中は切っても発出さん at 2006年09月10日 19:49
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絵はがきの時代
Excerpt: 絵はがきの時代
Weblog: しゃばなしゅば書房1号
Tracked: 2009-05-22 14:36
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